【世界遺産検定2級一発合格#3】超重要な基礎知識の対策法を徹底解説!(後編)
基礎知識編 前編をお読みいただけたでしょうか?
前編では、頻出カテゴリの中で世界遺産委員会関連機関, 会議の役割、憲章,条約、最初の世界遺産、登録基準を見てきました。後編では、世界遺産登録の条件、文化的景観、世界遺産基金、トランスバウンダリー・サイト/シリアル・ノミネーション・サイトについて見ていきます。
基本的な勉強方法
基礎知識の基本的な勉強方法は、テキストを熟読↔︎過去問を解くことを繰り返すことです。
中でも頻出カテゴリは、しっかりと記憶していきましょう。
頻出カテゴリ
ここからは、基礎知識の頻出カテゴリに関して、私が力を入れて覚えた項目を紹介します。
世界遺産登録の条件
[世界遺産登録の条件]
1, 顕著な普遍的価値があること
2, 以下を満たすこと
①遺産を保有する国が世界遺産条約の締約国であること
②遺産があらかじめ各国の暫定リストに記載されていること
③遺産を保有する締約国自身からの推薦であること
④遺産が不動産であること
⑤遺産が保有国の法律などで保護されていること
3, 真正性や完全性が見られること
4, 世界遺産条約履行のための作業指針に一つ以上当てはまること
世界遺産に登録されるには、上記の条件を満たす必要があります。
顕著な普遍的価値とは、Outstanding Universal Valueと言われ、「人類全体にとって現在だけではなく将来世代にも共通した重要性を持つとされる価値」のことです。
真正性とは、「それぞれの遺産がその文化、伝統を継承していること」という文化遺産に求められる概念です。「修復の際には建設当時の工法、素材を尊重する」というヴェネツィア憲章の考え方が基になっています。
完全性とは、「それぞれの遺産がその価値を証明するために必要な要素を網羅しているか」という全ての遺産に求められる概念です。
文化的景観
1992年に採択された文化的景観とは、人間が自然と共に作り上げた景観が証明される遺産に認められます。
文化的景観には3つのカテゴリーがあります。ここはテキストを使用して表現を暗記してもらえたらと思いますが、理解する際に私は以下のような覚え方をしました。
[3つのカテゴリー]
意匠された景観… 人間が作った景観(庭園など)
有機的に進化する景観… 自然を開拓した景観(棚田、オルチャ渓谷など)
関連する景観… 自然を取り入れた景観(紀伊山地の霊場と参詣道、トンガリロ国立公園など)
ここで、複合遺産との違いは?と思う方もいるかもしれません。違いは以下になります。
・複合遺産…自然・文化遺産両方の登録基準を満たす必要がある
・文化的景観…文化遺産に分類されるため、上記を満たす必要がなく、両者の表現があれば良い
また1993年、トンガリロ国立公園(ニュージーランド)が世界で初めて文化的景観として登録されたことは覚えておきましょう。
世界遺産基金
世界遺産基金は、世界遺産の価値を守っていくためにユネスコの財政規則に基づく信託基金として設立されました。世界遺産委員会が決定する目的にのみ使用することができます。
[世界遺産基金の使途]
1,大規模な災害や紛争による被害への「緊急援助」
2,推薦書や暫定リストを作成するための「準備援助」
3,専門家や技術者の派遣や保全に関する技術提供のための「保全・管理援助」
ユネスコ分担金を多く担っていたアメリカが2011年10月に支払い停止したこともあり、厳しい予算状況にあることも押さえておきましょう。
トランスバウンダリー・サイト/シリアル・ノミネーション・サイト
トランスバウンダリー・サイトとは、国境を越えて多国にまたがる遺産のことです。
シリアル・ノミネーション・サイトは、文化や歴史的背景、自然環境などが共通する遺産を一つの遺産として登録したものです。
[トランスバウンダリー・サイト/シリアル・ノミネーション・サイト]
●トランスバウンダリー・サイト・・国境を越える遺産
例:ワッデン海(オランダ、ドイツ、デンマーク)、ベルギーとフランスの鐘楼群(ベルギー、フランス)
●シリアル・ノミネーション・サイト・・連続性のある遺産
例:福建土楼群(中国)、カムチャッカ火山群(ロシア)
2級では頻出なので、代表的な遺産を覚えておきましょう。
まとめ
基礎知識の中での頻出カテゴリを見てきました。
[基礎知識の勉強方法まとめ(後編)]
1,基本的な勉強方法
・テキストを熟読↔︎過去問を解くことを繰り返す
・頻出カテゴリは、必ず押さえる
2,頻出カテゴリについて暗記する
・世界遺産登録の条件
・文化的景観
・世界遺産基金
・トランスバウンダリー・サイト/シリアル・ノミネーション・サイト
次回は、世界遺産検定2級の受験に向けたQ&Aを準備しました。疑問が解決できると思います。ぜひ参考にしてみて下さい!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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